第88章

高橋遥は彼の膝の上に座り、とても恥ずかしく感じていた。

鉄灰色のスラックスに映える白く柔らかな肌は、見ているだけで衝動に駆られる。

稲垣栄作が彼女に近づいたとき、高橋遥の小さな鼻翼が思わず微かに震え、まるで初心な少女のようだった。もし稲垣栄作が彼女と三年間の夫婦生活を送っていなければ、彼女が男女の関係を経験したことがないと思うほどだった。

「怖いの?それとも慣れない?」

稲垣栄作は夜よりも深い瞳で、彼女の小さな顔を見つめながら低い声で尋ねた。

「違うわ!」

高橋遥は小さな顔を彼の肩に埋めた。

彼女がこの仕草をするたびに、どこか従順な感じがして、稲垣栄作はそれが好きだった。彼はこ...

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